今回このようなご縁を頂き感謝の気持ちでいっぱいです。 私は忘れられない朗読の舞台があります。それは、ある女優さんの一人語りの舞台でした。その女優さんは出て来られた時から語る世界の空気を纏っていました。彼女の発する言葉には匂いがあり、温度があり、生身の人間の生の言葉が、『熱』がありました。動きは一切ない静かな静かな舞台でしたが、そこには確かに熱を帯びた世界が生まれていました。私は夢中になって彼女の言葉に耳を傾けていました。自分が朗読をやらせて貰うようになってから…それがいかに難しいことか、遠い遠い雲の上のような世界であることか…思い知りました。 だけど、やっぱり、今でもどこかで追い掛け続けています。かけらほどでもそこに近付いてみたい…。願いというより祈りのような気持ちです。こうやって書いてしまうことはハードルをただ上げているだけのような気もしますが…書いてしまいました(笑) 皆さまとたった一度しかないその瞬間を共有出来ますことを、心より楽しみに致しております。 能登麻美子 ◆ 何回目になるのでしょうか。 また参加できて嬉しいです。それでもやっぱり怖いです。 表現をする、朗読をすると、その舞台上でどうしても自分が今までどう生きてきたか、何を考えどこに行こうとしているのか、そんなことも浮き彫りにされていきます。 僕なりに恥じない生き方をしているつもりですが、それでも朗読を進めていくと、佇まい、発生や言葉の端々に、自分の浅さや至らなさ、そのほか思い当たること以外も、目を覆いたくなる瞬間がはみ出てきて、もうやーめた、なんて。 先日、帰りの電車で一駅ご一緒した尊敬する先輩に「朗読してると丸裸になってしまいます」とボヤくと「それはね、そうですよ。隠れたくなるくらい、恥ずかしくなりますよ」と、ぽろぽろ仰ってくださいました。 目標にもなっている先輩でもそうならば、それは一生ついてまわるものなのか。何と言ったらいいか、下りエスカレーターを上っている気分になりました。 でも、まあ、いいか。 一生そうなら、等身大の僕で、そこで生まれるものを楽しんでいこう。 恥ずかしかったり、熱くなったり、悲しくなったり、おかしくなったり。 その一つひとつ。 なーんて、いつも本番前は怖がっていますが本番中は物語の世界で皆さんと楽しみます。 どうぞよろしく。 野島健児 ◆ 2012年から続く近代文学朗読会。 日本の文学、朗読の文化を繋いでゆく一端にでもなれれば幸いという思いから企画を重ねて参りましたが、いっぽう我々主宰にとっては「どうしても間近で朗読を聴きたい声優さんに、どうしても読んで欲しい作品を読んでいただきたい!」という荒唐無稽な情熱も、ここまでの歩みのなかでは大切な両輪でした。 …なんだかもっともらしいことを書いているふうで、要するにただのファンということですが…。しかし、この朗読会は毎回毎回、主宰のあやしげな情熱から始まりはしても、予め夢にみたものをはるかに超えて素晴らしい空間になります。それは勿論、ご出演いただく声優さんのお力です。当日の私たちは、彼らの素敵なお声にじかに接することができるだけにとどまらず、ひとつの作品に向き合い挑む姿勢というお人柄の一面を垣間見ることがかなう場所だからなのだと思うのです。 ぜひ、ご自身の目で確かめていただきたい。 お待ちしております。 伊藤大助 朗読 野島健児、伊藤大助(クラムボン) ゲスト朗読 能登麻美子 朗読作品:当日会場にて発表 *谷崎潤一郎「陰翳礼讃」伊藤大助、「刺青」能登麻美子、「秘密」野島健児 日時 12月10日(日) 「一度目」 開場 12:15 開演 13:00 「二度目」 開場 17:00 開演 17:45 *「一度目」「二度目」朗読題材は同じになります。 当日 5,000円(1drink込み) *当日券をご希望の方は、開場時間以降に直接お越しください。 ご予約方法 件名を「12/10公演 一度目 or 二度目 or 両方(ご参加希望の回)」とし、「お名前(ふりがな)、携帯番号、人数(2名様まで)、お連れ様のお名前」を添えて、メールにて下記アドレスまでお申し込みください。 <ご予約の受付は終了いたしました!ありがとうございました> ○メールを送信されると自動返信メールが届きます。メールの受信拒否設定をされている場合、キチムからのメールが届きません。設定の変更するかまたは別のアドレスから再度送信してください。再送の際には「再送」とご明記ください。 ○お連れ様、お子様も含むご来場予定者のお名前(フルネーム)を必ずご記入下さい。 ○お子様は膝上のみ無料となります。 ○料金は事前振込みとなります。振込みの確認が取れたところで予約が完了いたしますのでご注意ください。 ○当日は整理番号順の入場となります。 整理番号は予約完了メールにてお知らせいたします。 ◯定員になり次第キャンセル待ちの受付になります。 |